お嬢が「quarantaneって最近、目にすると思っていたら検疫とかって意味なのね~」
と言っていた。
その時点ではあまりその単語は目にしていなかったのだけれど、
昨夜アメリカでも起こっているトイレットペーパーなどの買い占め状況の
レポートを聴いていて初めて耳にした「quarantane(クインティーン)」
医学関連単語なのでギリシャ語かラテン語由来なのだと思っていた。
これはイタリア語なんだってね~
イタリア語の「40」を意味する「quaranta(クアランタ)」
(イタリア語なのでとうぜんラテン語からでしょう)
14世紀のペスト大流行時に遡ります。
ペストの大流行は3回あった。
1回目は6世紀から7世紀にかけて。
2回目は14世紀から17世紀。
3回目(最終流行)19世紀。
14世紀、まさに現在世界で実施されている「水際作戦」という
公衆衛生的画期的な政策がとられた。
東方(オリエント)からペストがやってくると信じられており、
(ペストはエベレスト起源という説がある)
東方との交易が盛んだったヴェネツィアは入港する船舶を40日間
アドリア海上での隔離期間を経て未発症を確認後ヴェネツィアへの入港を
認めたことから「検疫」または「隔離」という意味の英語になったそうだ。
ヴェネツィア方言 「quarantena」「 quarantagiorni(40 日間の意)」
ヴェネツィアでは当初30日間に設定していたらしいが、それでは
短すぎたのだった。
その後(17世紀ごろ)ミラノや英国であまりに40日間の検疫が長いので
30日間に戻したところ、再び大流行してしまったらしい💦
この大流行から英国では労働者という層があらわれ、ケンブリッジやオックスフォードというカレッジが生まれた。
農奴の大量の喪失や大学教授の喪失で新しい社会が創出されたワケ。
またこの流行がなければロミオとジュリエットはハッピーエンドだっただろう。
ジュリエットからロミオに宛てた手紙を託された神父はペストで苦しむ
村人に奇蹟を行うため足止めを食らったのだった💦
19世紀のペスト流行時のヴェネツィアが舞台のトーマス・マンの名作
「ベニスに死す」
今の新コロナヴァイラスのニュースを目にするたびに映画版を
思い浮かべるけれど、皮肉にもイタリアで流行の発端となった地域
ヴェネト州訛りのイタリア語が世紀を経て英語化し、世界中を駆け回るなんてね~
何十年単位で繰り返されたペストの大小の流行が終息した時の
人々の喜び、安ど感が今まさに実感されます。
ヴェネツィアらしい写真にはかならず登場する美しい大聖堂「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」は聖母マリアにペストの終焉を祈願するために建造されました。
上の画像の中央右のドーム型の教会がサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂です。
他の聖人に捧げる聖堂建設の案もでたそうですが、効果がみられず結局は
聖母マリアに頼ったそうです。
神にしか祈る事が出来なかった当時の人々の切実さは、
いまの私たちにも十分すぎるほど理解できる。。。
聖職者の無力を知った民衆の思いが宗教革命につながったという説もあります。
また昨年ヴェネツィアからウィーンにも行きましたが、そこでもペスト記念塔が
一番のメインストリートにありました。
グラーベン通りのペスト記念塔。
ヨーロッパ各地にあるペスト記念塔の中で一番豪華です。
17世紀に猛威を振るったペスト終焉を記念して皇帝レオポルド1世によって
建立されました。
他の記念塔にはカトリックでペストからの守護聖人とされている聖人がかならず
登場しますが、この塔には見られません。
すでにこの頃には守護聖人の力は信じられなくなっていたのでしょう。
現代の私たちも新ウィルスの終焉宣言が出されれば記念塔くらい
建立したいくらいの気持ちになるでしょう(*ノωノ)
イタリア全土で移動制限令が発動され、猛威はフランスへも飛び火。
そんな中、「2週間、2週間ってずーっと言っていますけど、いつまで続くんですか?」とお怒りモードで政府に迫っている野党(-。-)y-゜゜゜
そりゃあね~学校は休校、大規模イベントは中止、この問題による
経済的損失は計り知れない。
でもさ~現代の様なグローバル時代になって初めてともいえる広がりを見せる
新型ウイルス対策で確定事項なんてないわけで、
医学にしても経済にしても、もっと科学的な考察を持ってほしいと思うわ。
ある現象が認められ、なんども考察を繰り返し始めて確定事項ができるわけで。
ふつーの思考が可能な大人ならば「2週間っていったのに山場かどうかも
明言できないんですかヽ(`Д´)ノプンプン」とはならないでしょう。
ただ大規模に徹底検査を行った国では医療現場の崩壊が起こり、死者数が増えている現状と医療現場の最前線を機能させるために重病者のみに絞った日本の政策は
今のところ急激な拡大にはつながっていないように素人目には思えます。
すべてこれらは後になって、有効が追視される事であって今あれだこれだと
難癖をつけている場合じゃないと思うのですが、どうでしょう?
そりゃあさ~「フリーランスの方も積極的に有休を活用していただいてですね・・」
と発言する我が国のリーダーも、リーダーだけれど、
いまそれを取り上げても良いほうには向かわないだろう。
経済損失は計り知れないけれど、最悪の想定にならないように、今の政策が
とられているのだから、しばらく我慢はしょうがないのだな~と思う昨今。
政府には最大限の経済対策発動と同時にメディアや一般人の私たちも
試されているのでしょう。
こんな重苦しい時期に心がなごむドーナッツ発見!
アップルドーナッツってどうなの?って感じでしたがさっぱりして
あんがい美味しかったです(*^-^*)