
一見、フランスでフツーに見られるようなフランボワイヤン・ゴシック様式の大聖堂『サン・フランソワ・ド・サール大聖堂』は15世紀末から16世紀初頭にかけて建てられました。
フランボワイヤンとはその言葉のとおり「flamboyant(炎のような)」をあらわします。
窓や装飾が蝋燭の炎えさかる炎のようにデザインされており、その後のルネサンスまで
流行しました。
キリスト教国に来たのなら、そこは敬意を表してとりあえず大聖堂は入ってみなくちゃね✌
と・・・変な像がΣ( ̄□ ̄|||)
ダンテの神曲に登場する罪人の一人ウゴリーノ。

大聖堂のファサードを作ったフランソワ・マルタンが制作しました。
ウゴリーノ(Ugolin)は飢餓により自分の子供を食べることを余儀なくされた伯爵として描かれています。
ウゴリーノは実在の人物で1220年代にイタリアのピサで生まれた名門貴族です。
後に海軍提督まで勤め上げましたが、当時の教皇派と皇帝派の争いの中、
1288年ピサで起きた激しい物価高で飢餓が起こり市民の暴動が頻発し、
その中でウゴリーノは息子、孫5名と共に投獄され食料を与えられず全員餓死しました。
その中で子供を食べたというのは事実無根ですがダンテは教皇派(ゲルフ)だったので
皇帝派(ギベリン)のウゴリーノをこのような無残な存在として神曲に登場させたのでしょうね~
後の時代まで、こんな醜悪な物として残されたウゴリーノが同情に絶えません(´;ω;`)
入口にはサヴォアの顧問シャルル3世が門の寄贈者であると書かれています。

中は典型的ゴシックでした。
リブ・ヴォールトの特徴である複数のアーチが交差するデザインが
美しいです。

美しい高い天井を眺めていると、ある事に気がつきました💡

なんと壁はだまし絵なんですΣ( ̄□ ̄|||)
フランス語ではトロンプ・ルイユというイタリア式だまし絵です。
これが、なんと欧州最大のだまし絵なんだそうですΣ( ̄□ ̄|||)

イタリアはだまし絵の本家本元ですから、いくつも見てきましたがシャンベリに
最大の絵があるとは驚きました。
付き物のステンドグラスは当然美しいです。


個人的には、やはりジャンヌダルクの立像とステンドグラスが
美しさと強さをあらわしていて好きでした。

↓シャンベリ生まれの神父様とシスター。

カミーユ・コスタ・ド・ボルガール神父は2025年5月17日に列福されました。
現教皇レオン14世初の列福式だったそうです。
ボルガール神父の奇跡のとりなしを認めたのはフランシスコ教皇で2024年3月という事は亡くなる1年前なのですね。というか現在でも「奇跡」が認められているという事に
驚きを禁じ得ないΣ( ̄□ ̄|||)
右のシスターはマリー・テオドール・ヴォーレンといい1989年に教皇ヨハネ・パウロ2世により尊者と認められました。
こちらは奇跡ではなく貧しい子供の教育に尽力したためです。
イタリアのように、どんな田舎の大聖堂にも名画が必ず!というワケには
いかないけれど、欧州最大のだまし絵と会うという経験ができました。
聖堂をて出て建物を見ると。。を
古い建物の所々にファイナルファンタジーのキャラが。


フランスのストリート・アーティストであるインベーダーの作品だそうで
世界中の都市の壁にもあるとかΣ( ̄□ ̄|||)
バンクシーのようなものか???
小さな映画館には、なんと日本の「8番出口」が上映されていました。

やはりフランスは日本の文化の認知度が高いのか???