ヴェネツィアから日帰りで4時間のヴェローナ観光。
一番、興味があり、そして一番「行って良かった~💖」と思ったのは
Giardino Giusti(ジュスティ庭園)!
日本からイタリア周遊ツアー、ヴェネツィア発現地ツアーなどでは
組み込まれている事は無いと思います。
お庭好きなら絶対に行ってみて~🎶
ヴェローナは観光客が多い街ですがジュスティ庭園まで足を伸ばす旅行者は
あまりいません。
優しい陽光に包まれ、静寂と優美さ、そして眼前に広がるヴェローナの
絵本の様な風景✨✨✨
ゲーテも訪れた庭園と優雅な邸宅のご紹介です!
ジュスティ庭園までの行き方バスor歩き?
ジュスティ庭園の開園時間は9時。入場料10ユーロ(2019年9月現在)
ヴェローナカードを持っていると割引になります。
ヴェローナP.N.駅からバスで直接ジュスティ庭園に行くには20分毎に
出ているATVの73番に乗りPiazza Isoloで下車、乗車時間≒15分徒歩2分。
私は8時頃に駅から出発したので、まずアレーナ、ジュリエットの家など
アディジェ川内側の見学から始めました。
ジュリエットの家のオープンは8:30分。
4時間という時間を有効に使う為のスケジュールでした。
当初、シニョーリ広場あたりでタクシーを拾いジュスティ庭園まで行こうと
考えていましたが、徒歩でも、そんなに遠くないと現地で知り、
ジュリエットの家やロミオの家からも近いアディジェ川にかかるヌオーヴォ橋を
渡って10分くらいで庭園に到着しました。
すでに素晴らしい景色じゃありませんか😍
右手の小高い丘(サンピエトロの丘)を囲むような糸杉(サイプレス)
This is イタリアという景色です🎶
右手にはヴェローナ最大の教会サンタナスターシア教会の鐘楼が見えます 😍
「せむし男」の像が有名なんですって~
橋を渡り終えると右手に「セントトーマスベケット教会(Saint Tommaso Cantuariense)」
この教会は日本語のサイトを全く見つける事が出来ないくらいマイナーなんでしょうか?
カンタベリーの聖トーマスに捧げられた教会で、あのモーツアルトが
弾いたパイプオルガンがあるんですよ(@_@)
1770年にモーツアルトは
ヴェローナに滞在し,ジュスティ庭園にも立ち寄っています。
我々はこの教会と反対側に向かいます。
橋を渡ってジョスエ・カルドゥッチ通り(Via Giosuè Carducci)に沿って歩くと~
ジャルディーノ・ジュスティ通り(via Giardino Giusti)に出ます。
この通りこそジュスティ庭園に続く通りです。
ジョエス・カルドゥッチ通りとジャルディーノ・ジュスティ通りが突き当たる所に
高校がありました。
ブログを書きながら写真を整理して今見ると
右側の茶色のやじるし案内に「ジュスティ庭園」
と書いてありました。
実際には見落とし、ひょっとしてこの建物(高校)がジュスティ庭園の入り口かも?
木々が多い茂っているじゃない?と思い中に入って受付で聞くと「学校です」と・・・
イタリアの学校って、学校ぽくないからね~( ;∀;)
いきなり高校に乱入した日本人3名・・・全くね~
ジュスティ庭園は、この学校の左隣でした~💦
ジュスティ庭園に感動!
通りに面した目立たない入り口を入ると管理棟があります。
上部はジュスティ家の住居で、ここも公開されています。
ポツンと係りの方がいらして1人10ユーロ支払うと「どうぞごゆっくり、お庭でも
アパートメントでもお好きなところから」という事でした。
ここから見える庭園への入り口が、すでに素敵 😍
庭園全体はこの案内図のように配置されています。
下の写真の彫像の左の糸杉(サイプレス)は「ゲーテの糸杉」と呼ばれています。
1786年に、この庭を訪れた際に樹齢600年を超えるこの糸杉を見て感嘆し
後に「イタリア紀行」に記しました。
ちょこっとゲーテ。。。
「若きウエルテルの悩み」でお馴染みのゲーテは神童がそのまま大人になった人です。
作家、詩人としての初期のころは新しい文化運動の中心にいました。
(18世紀後半のシュトゥルム・ウント・ドラング・・革新的文学運動)
20代後半からは文学活動だけではなく政治家としてもトップに登っています。
政治家として活動していた10年間、創作活動はしていません。
30代後半でイタリアびいきの父の影響でイタリア旅行に出てしまいました。
旅行は2年以上に及び、その時にヴェローナも訪れています。
長いイタリア旅行の後、イタリアの文化に刺激を受け感化され、
革新運動の騎手だったゲーテは古典主義へ路線を大きく
転換しました。
ゲーテは自然科学者としても業績があり、ジュスティ庭園の糸杉に大いに
感銘を受けたのでしょう。
ゲーテの「イタリア紀行」より。
その庭は景勝の地を占めていて、そこの糸杉の巨木は
すべて錐状に空高くそびえている。
北国(今の北ヨーロッパ)の造園術のサイプレス(糸杉類)は、ここの模倣だろう。
その枝が下から上まで、どんな古い枝でも若い枝でもすべて天に向かっている。
樹齢三百年におよぶ樹木はやはり尊敬に値する。
典型的なメディチ庭園形式。
糸杉(サイプレス)を両脇に配した道の先にはグロッタ(洞窟)があります。
オリンピアの神々の彫像5体が見えます。
彫像を配置しフランス風な庭園です。
この他、迷路(ラビリンス)の庭園もあります。
傾斜地を生かした庭園なので勾配がきつい。
お掃除のおじさんがこんなに小さく見えます(@_@)(黄色の〇は人間サイズ!)
火や煙を出してお客を驚かせたというグロッタの上部から見た庭園。
凄い勾配!
左手には秘密の螺旋階段がある塔があります。
14世紀のエステ家の壁と繋がっている塔は、その昔、この上にも庭園があり、
そこに辿り着く秘密の螺旋階段があります。
パビリオンがあり、そこに立つとヴェローナ一帯が目に飛び込んできます!
美し~い💖
私は心底、感動しました。。。
ローマ近郊のティヴォリの庭園に立った時と同じくらい心打たれました。
ティヴォリはハドリアヌスの時代で、比べるととても新しい庭園なのですけれど。
きっと私はイタリア式庭園が好きなんだ💡
ヴェローナの美しい景色を堪能し居住部分の見学に向かいます。
上の写真の右の壁は12世紀の壁。
バッカス、セレス、ビーナスというギリシャの神々の像を祀る3つの祠があります。
どこに立っても美しい景観に包まれるジュスティ庭園でした。
ここの庭園にはゲーテ、モーツアルト、王侯貴族そしてエジソンも
立ち寄ったという事です。
Giardino Giusti (ジャルディーノ・ジュスティ)ジュスティ庭園について
15世紀にジュスティ家によりサンミケーレ方式の邸宅そしてお庭を地形を生かし
造られました。
当時の上流階級に評判だったメディチ庭園を再現しています。
ジュスティ家は13世紀末にトスカーナからヴェローナに移り、この地で盛んだった
羊毛産業で財を成します。
現在の庭園のあるこの場所・・・ポー谷を通る古代の主要道路に隣接するエリアを
購入し羊毛の加工場を建設しました。
17,18世紀に大流行した裕福な英国貴族の子弟の修学旅行=グランドツアーは
当時の先進国であるフランス、イタリアが主な目的地でジュスティ庭園はそのツアーに
なくてはならない場所でした。
そのような背景もありジュスティ庭園には王侯貴族や著名文化人も多数訪れています。
このままで映画のセットに使えそうな庭園・・・
英国庭園と違い百花繚乱にはない美しさ、日本庭園にも通じるイタリア式庭園。
この後、ジュスティ家のアパートメント見学もしましたが、それはそれは素敵なアパートメントでした~
次回に続く・・・