ネットフリックスやAmazonプライムなどは視聴履歴をもとに
勝手に「あなたにおすすめ」と称して映画やドラマ候補を
ずらずら並べられるけれど、実際問題、私はそんなに韓国ドラマファンでは
ありませんから~💦
アニメもそんなに見る方でもありませんから~💦
「愛の不時着」以来、評判の韓国ドラマなどを視聴しヒョンビン以外の
ドラマに全くハマらなかったわけで。
なのに、おすすめは韓国ものが多いわけよ( ;∀;)
アニメは「鬼滅の刃」や「妄想代理人」などを見ただけだし・・・
ECのほうのAmazonで一度買った商品や検索した商品を
いつまでもお薦めされるのと同じよね~
いやいや、そんなに同じものいらないし。
「エミリー、パリに行く」に続きアメリカドラマが面白かった~
原作は「ハスラー」の著者ウォルター・テヴィスこれは面白いでしょ~
『クイーンズ・ギャンビット』は1950年代後半から1960年代のアメリカが舞台。
9歳から養護施設で育った主人公エリザベス・ハーモン(通称ベス)が
初めてチェスを見た瞬間から興味を持ち、
メキメキ腕を上げ天賦の才を
誰しもが認めるが薬物、アルコール依存に苦しみ、
遂には最大の目標であったソ連の世界チャンピオンに
勝利するまでを描いた作品。
狂気の天才ボビー・フィッシャーがモデル。
このドラマの何が凄いかって実話じゃないのに実話の様に
思わせるところ~(@_@)
このような伝説の女性が実在したのかと思ったわ~
モデルになったと考えられる人物はいるようです。
冷戦下にソビエト連邦の選手を下し、アメリカ合衆国歴史上、初となる公式世界チャンピオンになったことで、英雄としてもてはやされたボビー・フィッシャーです。
(ボビー・フィッシャーは男性ですが)
チェスに興味も無ければ知識もない状態でもじゅうぶんに面白かった(*^-^*)
ベスは婚外子で母親と2人暮らし。上流階級出身の母でしたが、母子はトレーラーで社会から遠ざかるように暮らしており、パラノイアの母親は車でベスを道連れに自死を図り亡くなってしまい養護施設に入所することになります。
ベスと母親との関係性はドラマの中でベスの葛藤と共に記憶の蘇りという形で
明かされます。
ベスがチェスの才能に恵まれているのは母親がコーネル大学数学科卒業という
才女である事からベスもかなり優秀な頭脳を受け継いでいると想像できます。
おそらく1960年前後を描いているので母親はフラワーチルドレンと呼ばれる
世代なのかもしれません。
父親の実家もかなり裕福な層だとわかります。
モデルとされるボビー・フィッシャーの両親も母親は医学、父親は物理学を
修めていますが離婚しボビーを出産した時には母親はホームレス状態でした。
「教えない」チェスの師匠シャイベルとの出会い。
ベスとチェスとの出会いは養護施設の地下でした。
チェスをしている用務員のシャイベルを見て、一目でチェスに興味を持ちました。
ベスの母親は幼いベスに一人で生きていく力を付けなくてはいけないと
事あるごとに教えました。
周りの指図に従う事は人生を無駄にしてしまう。
とりわけ男に従わないで生きていけるようにと。
印象的な言葉は「男は教えたがる。賢いわけじゃなく自分を大きく見せたいだけ」
しかし用務員のシャイベルはチェスを教えてほしいとのベスの
申し出に対して教えないと返事をします。
それでもベスは毎日、毎日、シャイベルのもとに通い才能を開花させるのです。
すでにこの頃には養護院で飲まされていた精神薬の中毒になっていました。
シャイベルはベスに「天才はその代償を払わなければならない」
「その才能がもろ刃の剣になるだろう」と伝えます。
その後ハイスクール入学くらいの年齢で養女に出てシャイベルと
会う事はありませんでした。
インテリアもファッションも音楽も楽しめるドラマ。
ウィートリー家の養女になったベスの部屋。
バラバラな色使いや柄が妙にマッチして素敵です💖
ピアニストを目指していた養母のアルマは孤独な結婚生活を送っていましたが、
ベスのマネージャーとして各地を一緒にまわる事になり、
ベスの良き理解者でもあり実母とは全く違う性格。
とってもクラシカルでモダンなしつらえですよね~
ベスも年齢を重ねるとともに、とても綺麗な女性に成長。
1960年代のファッションと当時のポップミュージックがなんともオシャレ。
ショッキング・ブルーの「ビーナス」なんかが流れます(*^-^*)
全7話のドラマは一度も飽きることなく男性社会のチェスの世界で
快進撃を続けながらもチェス以外の満たされることのない人生との葛藤。
勝利への焦燥や孤独などが上手く描かれ飽きることがありませんでした。
タイトルになっている『クイーンズ・ギャンビット』とは
チェスを展開する定石。
なんでも中盤以降に自分の配置を有利にするために、うち初めで
ポーン(将棋の歩兵のような駒)を犠牲にする手なんだそうです。
劇中に何度も「サクリファイ(犠牲)」というチェスの手が語られます。
ベスの実母や養母は女性が自立して生きることを認められない時代の犠牲者でした。
犠牲者だと思う事で自ら犠牲者になったのだと気づかなかった母たち。
その母の犠牲になったとも捉えられるベス。
性差、レジームの違いなどなどを超え個人の能力だけが
公平に勝敗を決めるチェスの世界でベスは羽ばたくことができました。
天才だけが経験するであろう苦悩。
印象的だったのはベスが直感的な天才だと評されていましたが、
直感の裏には自分の精神が崩壊するくらい日夜チェス盤と向き合う姿が
あったのです。
そういえばベスは最初の頃、ポーンを犠牲にする手法を嫌っていたな~
「捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は若い時にはわからないものです・・・
養母がベスに「チェスだけではなく人生を楽しむことが一番大事」
と語った事が、どのような天才にもいえる事なのでしょう。
幼少の頃の暗い画面や雰囲気から重たいドラマの様に思えますが、
最終回を見終えた時には明るい世界が開ける素敵なドラマでした。
ネタバレ...
唯一、第6回だけは涙なしには見られませんでした~(´;ω;`)