顔もスタイルも良く高スペックな男なんて8割が対女性には「流され侍」なんだよな~
ふつー程度の男や全くモテない男だって高スペックになればそうなるんじゃないのかな?
男性蔑視と言われるかもだけど高スペックな男ほど、恋愛に対して
な~んにも考えてない。
考えてなくても高スペックなだけに考えているように思われてしまうだけだ。
そうじゃない人間は高スペックというアドバンテージがないだけに、
苦労をフツーに経験するだろうし、心の機微にも敏感になるが、
フツーで心の機微もわからないとなると、まあモテもしないわね・・・
全てを投げうっても愛に走るなんて恋愛は映画や小説の中だけだ。
ほとんどの既婚者に全く無駄な占いは恋愛運。
なのになぜ今更・・・
あのBLとか何とかを超越した恋愛映画『窮鼠はチーズの夢を見る』をまたまた視聴したから。
↑映画のポスターはBLっぽいですね。
漫画家、水城せとな作『窮鼠はチーズの夢を見る』と『俎上の鯉は二度跳ねる』の映画化。
あらすじは省略。
行定勲監督の話を聴いて「なるほど~意図してそうしてるのか~」などと思うところあり、今回は今ケ瀬(成田凌)に集中して見た。
視点を移すことで、前回と違うところが見えてきた。
恭一(大倉忠義)は見た人の殆どがクズと言っているけれど、
恭一がクズなら世の中の男性はほとんどがクズだ。(女性もかもね?)
高スペックで気遣いが出来て女性だけではなく上司や同僚からも好かれている。
モテないわけがない。
より取り見取りだ。
自分にある程度の自信があり、したたかでもある女性と好意を示されればなにも考えず付き合う。(男なんてそんなものなんじゃない?女性もかもだけど)
で、すぐに、そーゆー関係になる。
大人なシーンが多く目を覆いたくなる場面が多いけれど、
改めてみると前半のかなりの部分が恭一のそんなシーンだった💦
あれだけの高スペックでも下半身のだらしなさにクズという感想が多いわけだけれど、
特別にだらしない・・・というより、好意を抱いてくれる相手に対して、それも
恭一なりの義務くらいのサービス精神なのではないだろうか???
気遣いは出来るけれど、人間の心の機微がわからない男なのだ。
(というか心の機微がわかる男がこの世の中にどれだけいるの?)
女性に好意を抱いても愛なんてものを感じたこともない。
しかし、現実世界も、そんなものじゃない???
お互いが愛して愛して結婚に至る・・・は一握りで、
結局、2023年現在でも古来から続く社会的通念に完全に染まって、当然、異性と結婚し家庭を作るものという観念から自由になれないし、
長く付き合ったり結婚したり・・・その中で執着や情が生まれてくるだけで。
慣れた事から脱皮するのは疲れることだからね~
だからこそ今ヶ瀬の恭一に対する一途な思いが見ている者には苦しいのだな。。。
恭一の奥さんに頼まれて浮気調査をする今ヶ瀬に事実は奥さんに伝えないから
浮気相手とすぐに別れろと言われても出来ないし、奥さんとも別れたくない
恭一。
(結局、奥さんから離婚を告げられるのだけれど)
なぜ別れないのだと今ヶ瀬に詰め寄られても口から出まかせの適当な事をもっともらしく言う恭一に「あんたみたいのは最悪」と今ヶ瀬は言ったけれど、
それが最後の海の場面で「心底惚れるって事はその人だけ例外になるって事なんですよ、あなたにはわからないか…」に繋がっているのか~
「好きな人に呼び出されれば、すぐに行くような男なんですよ俺は」という台詞のように、この映画はBLという括りかもだけどゲイである今ヶ瀬は、それ系ドラマなどのようなおネエ言葉は使わない。
そんな言葉を使わないけれど嫉妬深く時に自分の心の混乱に激情し、受け入れられると怖くなり
(好きな相手がゲイではないので、受け入れられても不安が勝つのでしょう)
離れていく今ヶ瀬は女性そのものに見える。
今回、気づいたのは恭一はかなり早い時期から自覚は無くとも今ヶ瀬が特別な人間になっていたのだな~愛情の対象としての。
女性に対しても、そのような感情を持った事がないので初めての戸惑いだったと思う。
この映画の最大の見どころは、ほとんどの人が言っているように今ヶ瀬の、どーしようもない可愛さだ。
これは男女ともに抱いていることだ。
猫のようにしたたかだけど、濡れた子犬のような可愛さなのだ。
あの可愛さを跳ねのけられる男性はいるのだろうか?と思った(≧▽≦)
どーしようもない可愛さマックスシーンは今ヶ瀬が恭一の部屋着(フーディー)を着て
暗がりの部屋でハイチェアに体育座りで煙草を吸うシーン。
182cmもある27歳の男が体育座りで可愛いのよ?
映画の感想をアップしている新宿二丁目のゲイバーのママが国宝級といっていたけれど、それくらい可愛いのだ(≧▽≦)
キャピ、キャピ女の子でーすっていう可愛さとは全く違う可愛さ。
誰もが抱きしめてあげたくなるような可愛さ。
愛おしさ・・・というのだろうか、この可愛さは。
監督によれば、恭一の部屋であの椅子の上だけが今ヶ瀬にとっての居場所だったと。
なるほどーと思った。
「あなたじゃダメだ、あなたにも俺じゃダメだ」と言って今ヶ瀬が出ていき、
恭一は会社の可愛い部下タマキと婚約し可愛いタマキちゃんが部屋に来て
夜を共にし、やはり恭一の部屋着を着てハイチェアに座るタマキをベッドから見る
恭一の目には嫌悪があらわだった。
タマキ役は『チワワちゃん』にも出演していた吉田詩織。
可愛いのよ~でも恭一の目には、その椅子に座らないでほしい光線が宿っていた。
流されて受け入れたタマキちゃんに残酷な仕打ち。
しかし、今までの恭一なら、そんな感情を持つことも無かっただろう。
今まで『窮鼠はチーズの夢を見る』という意味が分からなかった。
そうなのか~
恭一はネズミで猫は女性達&今ヶ瀬。
猫は獲物を狙い自分の手に落ちるように追い詰めるけれど、
追い詰められているはずのネズミの頭の中には大好きなチーズの
事以外考えていないのよね。
ぜひ、まだ見ていない人はAmazonプライムで見られますから、
見てみて~
とても綺麗なフランス映画のような映画です。
この映画にはバックグラウンドミュージックは使われていない。
監督は自然な音を大切にしたかったそうです。
その自然な音・・・
男同士がぶつかり合う音も(*_*)
お相撲で巨体がぶつかり合う音を何度も経験しましたが、
この映画は違うシチュエーションで男同士のぶつかる音まであるので、
そこがダメな人も、そこだけ目と耳を塞いで見てください(≧▽≦)
自然な・・・といえば一般のBLドラマやジャニーズなどのアイドルの映像は
皮膚感も加工してあるらしい。
この映画はそれらが無い。
博多人形のように陶器のようなキラキラ肌感ではなく生の肌感。
これも許された大倉サイドに驚く。
ディティールにもかなり拘っていて今ヶ瀬が履いているボクサーパンツは
ゲイに人気のブランドTOOTの製品だそうで新宿伊勢丹や阪急メンズ館に
売っている1枚5,000円以上のパンツなんだって~(*_*)
魔性の女という言葉はあるけれど魔性の男って聞いたことないよな~
今ヶ瀬は魔性の男なんだな。
おそらく、ずーっと待ち続ける決心をした恭一。
けれど今ヶ瀬は戻ってこないんじゃないかと思う。
ずーっと恭一を忘れられずに。
お尻が青くない高品質な恋愛映画です。